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シルクスカーフのホームクリーニング(お洗濯法)

●シルクは自宅で洗えない、はホント!?

「シルクは自宅で洗えない」「シルクの取り扱いは難しい」と思われる方が多いのですが、シルクもご自宅でのお洗濯が可能です。シルク素材は綿や合成繊維の素材よりも高価で、アパレルメーカーで取り扱う量がぐっと減ってしまったこともあって、一般的にシルク素材のケア、取り扱いへの認知が下がってしまいました。シルク素材の取り扱いはとてもシンプルで簡単です。水に弱い素材ですが、濡らしてしまっても問題ありません。そもそも、製造過程においても、水に晒して染料を落としたり、整形するにも水蒸気を使っています。

ただし、注意しないとシルク本来の柔らかな肌触りが損なわれたり、色落ちすることもあります。クリーニング屋さんのドライクリーニングに比べれば素材への負担が大きいのですが、ポイントを押さえれば、がっかりするほど損なわれるわけではありません。

 

●クリーニング屋さんで行ったホームクリーニングの実証実験

2015年に名古屋のクリーニング屋 林さんに恵.-megumi-スカーフの最適なお手入れを検証して頂きました。その中で、ホームクリーニングに当たる水洗いの結果は、このような内容でした。

「水洗いをすると若干縮むものの、スチームアイロンによって、ほぼもとの大きさに戻った。加えて、若干色落ちしたようですが、新品と比較して気づく程度です。」

もちろん、クリーニング屋さんでドライクリーニングをして頂くのが素材の負担も少なく、最も状態が良いままご愛用いただけるのですが、普段遣いをする中で、自宅で洗いたい!というのも自然な思いです。

ここでは、恵.-megumi-でご提案しているシルクのホームクリーニング(お洗濯)について、5つのポイントをお伝えします。

 

●ホームクリーニング(お洗濯)のポイント

1.洗剤:用途の確認
2.水:温度に注意
3.洗いと脱水
4.乾燥:風通しのよい日陰
5.仕上げ:アイロン

 

1. 洗剤

市販されている洗剤は多種多様。その中で、必ず確認していただきたいのか「用途:シルク」と記載されていることです。綿・麻・合成繊維用の洗剤の種類は多いですが、シルクはデリケートな素材ですので、触り心地を保つには、必須です。恵.-megumi-で推奨しているのはがんこ本舗さんの洗濯用洗剤【海へ・・・】(恵.-megumi-での取り扱いは終了しました)。自然環境に優しいだけでなく、柔軟剤を使わなくても洗い上がりがふんわりします。

 

2. 水

お洗濯に使う水の温度には注意が必要です。使うお水は、20℃程度にしましょう。30℃以上のお湯を使うと、シルクの良質なタンパク質が溶け出してしまい、仕上がりがパリパリになって肌触りが損なわれてしまいます。柔らかなシルクの触り心地を保つためには、お水を使うことがポイント!

 

3. 洗いと脱水

洗剤の表示に従って、洗濯液を準備します。泡立ちする洗剤を利用する場合は、シャワーを使うなどしっかり泡立たせます。その洗濯液の中に、2つ折り、もしくは3つ折りにたたんだスカーフを静かに入れます。

洗濯液の中でゆらゆらとスカーフを揺らし泳がせるようにして、シルクの素材に洗濯液を通すように洗います。ゴシゴシ素材をこすり合わせると素材が毛羽立ってしまうため、揺らすように洗うことがポイントです。汚れが落ちないのではないかと心配になりますが、2〜3回揺らし通すだけでも、洗濯液に汚れが浮き出て水の濁りを確認することができるでしょう。心配ならば、折りたたんだスカーフを少し広げて泳がせるように洗って下さい。

すすぎは、少なめに。新しいお水をためて、洗いと同様にスカーフを揺らして泳がせることで洗濯液をすすぎ落とします。推奨している洗剤【海へ・・・】の場合は1回のすすぎ洗いでも大丈夫です。

脱水は、タオルドライです。広げてたタオルにスカーフを起き、タオルで挟んで上から軽く押して、スカーフの水分をタオルに移すように脱水します。洗濯機の脱水後の洋服の状態よりはずいぶん濡れている感じがすると思いますが、シルクは放湿性に優れている素材ですので心配いりません。

 

4. 乾燥

風通しの良い日陰に、広げて干すと想像以上に早く乾きます。天然素材のシルクは素材そのものの通気性が良く、素材自体が呼吸しているかのように吸収した水分を飛ばします(放湿性)。その素材の力を助けるように、風通しのよい環境を整えることが大切です。

また、日光に当てるとシルクは黄変し(黄ばみ)ます。日当たりよい場所に干せばすぐ乾きますが、シルクは日陰であることが大切です。普段遣いをしている間もシルクは日光にあたって紫外線を吸収し、身にまとう人の肌を護っています。数年使用して後の白地のシルクを新品と比較すると若干黄変していることに気づかされますが、一般的に、新品と比較することはほとんどないので、神経質になる必要はありません。黄変も天然素材の味わいと捉えてその変化も楽しむ心のゆとりを持って、洋服・スカーフをご愛用ください。

 

5. 仕上げのアイロン

シルクは高熱に弱いため、アイロンをかけるときは、生地を裏にして当て布をし、中・低温でアイロンをかけるのが大切です。

以下、実験結果です。自己責任、自己判断にてお願いします。

簡単にお手入れをしていただきたく、アイロンの実証実験をしました。素早くきれいにアイロンがけできるのが嬉しいので、、、<高温・スチーム・当て布無し>で【恵.-megumi-】のスカーフをアイロンがけしました。最もシルク素材には負担の大きなアイロンがけですが、結果、全く問題有りませんでした。定番となっている光沢感あるサテンのスカーフに限らず、ふんわりしたシフォンのスカーフにおいても、綺麗に仕上がりました。

ですが、<高温・スチーム・当て布無し>のアイロン掛けは、くれぐれも自己責任、自己判断にてお願いします。変色、縮み、焦げ付きなどの変化や問題が生じても責任を負えませんのでご了承ください。

 

●ホームクリーニング(お洗濯)のまとめ

1.洗剤は、用途にシルクの表示があることを確認!
2.水は、20℃程度の温度
3.泳がすように洗い、脱水はタオルドライで。
4.風通しのよい陰干しで乾かしましょう
5.仕上げ:アイロンは低温で当て布を施して。

 

以上のホームクリーニングは、【恵.-megumi-】で取り扱いのあるシルク製品におけるご提案です。

シルクといってもシルク素材の原料となっている蚕の状態、糸や生地の製造過程における技術や加工、アパレルメーカーの商品開発における創意工夫よって、その質や特徴は多種多様です。また、普段の取り扱い方や経年、汚れの種類や度合いによっても、適切なお手入れ方法は変わります。心配な場合は、洗濯表示を改めて確認して頂くと共に、クリーニング屋さんにお任せすることを推奨します。

プロにお任せ!ドライクリーニングの凄さ

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